進化ばかりに目を向けるのではなく、退化を進化と捉えよう。
退化とはシンプルだとうこと、それが退行的進化論。
インスタをやっていた頃、フォローしている方がお勧めしていた本でした。
森というキーワードに引かれたのと、退行的進化論て何?これが購入前の印象。
「薪ストーブ愛好家」田渕義雄さんの暮らしを描いた本。
高山で小屋を建てて、自給自足的な生活を送る。
高いマンションが立ち並ぶ便利な場所から離れ、ひっそりと。
自然と向き合い、さまざまなことを思いながら。
田渕さんは言葉のチョイスも面白く、こんな言い回しがあるのかと勉強にもなります。
現在の社会は便利になりすぎてしまったように思う。その便利さを欠くと不安になり、
不幸を感じてしまう。
物も溢れ返り、次から次へと製造され、廃棄されての繰り返し。
私が子供の頃から比べても随分変わった。
遠くに早く行けるようになったし、スマホですぐに情報も手に入る。
ただ、これ以上便利になることへ少し不安が…。
自分の中の当たり前が増えすぎて、ありがたみを忘れてしまいそうになる。
そんな時に田渕さんの本を読みたくなる。
特に「森からの伝言」はカラー写真の掲載も多く、見ごたえがあるし、生き急ぐ現代人
に響く。
また、ウィンザーチェアについて書かれていたことにもすごく惹かれた。
田渕さんは寒山家具工房という場所を構え、家具製造に勤しまれていました。
その中で特に、ウィンザーチェアという木組みの椅子を多く製作されています。
自分の暮らしている森で材料を調達し、必要以上に家具を作りすぎないようにもされて
いました。製作方法も本から学び、釘などの接合方法はしなかったそうです。
言い換えれば、手間と時間をかけて丁寧に物作りをされていました。
今はスピードを求められる時代ですが、あえて逆を行くやり方。
田渕さんは椅子を年間数台しか作らなかったそうです。営業活動をせずとも、口
コミで広がり、多くのファンがいました。
【家具の写真や、工房の写真も載っているので興味のある方は是非】
いつか現物を見てみたいな。腰かけて、その時何を想うのかとても気になる
少し長くなりましたが、何を伝えたいかというと、私にとって最高の本であったという
こと。何回も読み返し、楽しんでいる本の一つです。
最後に名言の中から一つご紹介。
もっとシンプルに。
もっと辺境で。
もっと自給自足で。
もっと孤独無援で。
もっと低収入で。
しかしもっと豊かに。